11月27日(手術当日)7時間40分の記憶はない

昨夜は意外と眠れた。まだ実感が足りないのかもしれない。9時に術着に着替え、歩いて手術室に向かう。広い手術室にダ・ヴィンチxi(3億円!)が見えた。よろしく頼むと心の中で手を合わせた。シャワーキャップみたいなのを被らされて狭い手術台に乗る。お尻の下がふかふかだ。パンツを取られてオムツを履かされメガネを預けた。

母ちゃんごめん、胃のない躰になっちまう

と心で言った。腕に点滴を打たれて何かヤバイ感じだったのが最後の記憶だ。目覚めたのはICUのベッドの上で、「今4時40分ですよ」との声だった。痛みは感じないが足には空気ポンプがついて動かせないうえに蒸れるし、お願いすると身体の向きを変えてはくれるが、詰めてくれたクッションがすぐズレてしまう。鼻から胃にチューブが入っているので息苦しいうえに、酸素マスクで塞がれているのでとても暑い。手術より苦しい二度と御免な経験だった。

当然ながらこの夜は一睡もできなかった。

 

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